清 算 人 挨 拶
私は、財団法人日本墓園(以下「日本墓園」といいます。)の清算人をしている弁護士(東京弁護士会所属)です。
わたしが日本墓園に関わるようになったのは、日本墓園が乱脈経営によりすでに破綻しかけていた平成9年4月からです。
「乱脈経営に基づく経営破綻から日本墓園を再生するために協力して欲しい」と関係者から相談を受け、乱脈経営に関与していた役員全員を外すことを条件に、日本墓園の理事を引き受けました。3人の新理事(弁護士1、税理士1、公認会計士1)で日本墓園の再生に着手しました。
そして、不正経理を解明することにより、日本墓園の経営は徐々に改善しつつありました。そのような状況下の平成11年3月に、突然、厚生省は日本墓園の法人設立許可を取り消してしまいました。驚きであるとともに、たいへん不本意でした。
3人の理事は、法律により、自動的に清算人となりました。その後、うち公認会計士の方がお亡くなりになり、現在は弁護士1、税理士1の2名が清算人です。
清算人は就任にあたって利用者の皆様の利益尊重を基本理念としました。その為に墓地を更地化して換価処分するのではなく、現況のままで、新しく墓地経営許可をうける法人(受け皿法人)に引き取ってもらう方針をとりました。これは、墓地という施設の永続性を尊重した結果でもあります。
清算人は、財政的に極めてきびしい状況の中でも、利用者のために日常サービスの維持に努めようとしました。それでも、利用者の皆様からはご不便をかけている点について改善希望のご指摘等をいただくことがときどきありました。申し訳ありませんでした。できるだけの努力はしてきましたし、今後も一層の努力をいたします。
負債については、当初約94億円あった債務の圧縮を図りました。支払拒否や減額の交渉をして、これを受け容れてもらったり、一部弁済したり、裁判したりして、現在では約6億円余りにまで減少しました。
そして、平成18年8月に第1次清算計画案を横浜地方裁判所に提出して、裁判所と協議し、以後、7回の修正案を提出し、平成24年9月に第8次清算計画案を提出しました。清算人はこれをもってほぼ最終案(※)だと考えています。この案には、第一・第二横浜霊園及び三浦海岸公園墓地をセットにして受け皿法人に引き継いでいただくために、これらの霊園の利用者の皆様に金銭的にご理解ご協力をいただく提案が盛り込まれています。
※第8次清算計画案をご覧になりたい方は、第一横浜霊園事務所まで、事前にお電話の上、おいでください。時間の都合がつくかぎり、事務局長が内容の説明をいたします。
そのことから、今回、第一・第二横浜霊園及び三浦海岸公園墓地の利用者の皆様に対して負担金のお願いに関するアンケート調査を実施することにしました。結果は、清算人に提案に対してかなり厳しいものになりましたが、回答の葉書の多さ、葉書への書き込みの多さ、問い合わせの電話の多さなどから、皆様の関心の深さがひしひしと伝わり、たいへん有意義だったと受け止めています。
皆様からいただいた抗議の多くが、情報提供が欠けた状態が続いた中での突然のお願いという点に関するものでした。ごもっともです。現在の難局は、利用者の皆様のご理解とご協力がなければ乗り越えることはできません。そのためには、清算人と利用者の皆様の情報落差を解消することが何よりも重要だと痛感しています。
そこで、このたび、日本墓園では、ホームページを立ち上げることにしました。今後は、このホームページを含めて出来る限り、情報を提供していくつもりです。
皆様のご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。
清算人 仲澤幹彦 長谷川正浩